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「壊れてから修理する」時代は終わる ──病院に頼る前に、自分の身体に投資するという選択

目次

はじめに


あなたは、車のメンテナンスをどうしていますか?

おそらく、壊れる前に定期点検に出しているはずです。オイル交換、タイヤのチェック、ブレーキの確認──「壊れてからでは遅い」と知っているから。

では、自分の身体はどうでしょうか?

多くの人が、不調が出てから病院に行き、薬をもらい、症状を抑える。それを繰り返している。

車には予防整備をするのに、身体は壊れるまで放置する。

この矛盾に気づいた人から、健康との向き合い方が変わり始めています。


「治す医療」の限界

誤解しないでいただきたいのですが、私は医療を否定したいわけではありません。

救急医療、手術、感染症治療──こうした分野で現代医学が果たしている役割は計り知れません。

ただ、ひとつ冷静に考えてみてほしいことがあります。

病院は基本的に「病気になった人」が行く場所です。

健康診断で「異常なし」と言われても、身体の不調は感じている。でも数値に出ないから「様子を見ましょう」で終わる。

そして数年後、数値に異常が出たときには、すでに70〜80%機能が低下している──そんなケースは珍しくありません。

これが「対症療法」の構造的な限界です。

症状が出てから対処する。数値が悪くなってから治療する。

それ自体は正しいのですが、**「そうなる前に何かできたのでは?」**という問いが残ります。


富裕層はすでに「予防」に投資している

興味深いことに、経済的に余裕のある層ほど、病気を治すことより病気にならないことにお金を使っています。

パーソナルトレーナー、食事管理、定期的なボディメンテナンス。

最近では、自分の免疫細胞を取り出して強化し、体内に戻すという施術も話題です。費用は数百万円。

ただ、私の実感では、これには落とし穴があります。

強化した細胞を体内に戻しても、受け入れる側の身体の状態が悪ければ、すぐに元のレベルに戻ってしまうのです。

土壌が痩せた畑に、どんなに良い種を蒔いても育たないのと同じ。

本当に大事なのは、身体という「土壌」を日常的に整えておくこと。

血流を良くし、筋肉の柔軟性を保ち、内臓が働きやすい環境を維持する。

これが、もっとも地味で、もっとも確実な健康への投資だと私は考えています。


なぜ整体が「予防」になるのか

ここで、整体というアプローチについて少しお話しさせてください。

整体を受けているとき、身体の中では何が起きているか。

筋肉が動かされ、血液の巡りが促され、内臓の働きも活性化される。

つまり、横になっているだけで、身体の中では”運動”に近い状態が生まれているのです。

「運動しなきゃ」と思いながらできていない方は多いと思います。

でも、腰が悪い人が無理に歩けば膝を痛め、膝をかばえば股関節に負担がかかる。

身体は連鎖しているので、「とにかく動けばいい」という単純な話ではありません。

整体であれば、関節や筋肉を痛めるリスクなく、身体を動かすのと同じ効果を得られる可能性がある。

どこも傷めず、良くなるだけ。

これが、整体の持つ大きな強みです。


10%の低下で気づくか、70%で気づくか

整体師として長年身体に触れていると、検査では見つからない「小さな異変」を感じ取ることがあります。

「ここの筋肉が妙に硬い」「この関節の動きが悪い」「内臓のあるエリアに張りがある」

これらは、いわば身体の**”性能低下”のごく初期段階**です。

私の感覚では、10〜30%の性能低下の時点で、身体は何らかのサインを出しています。

この段階で気づいて対処できれば、大きな不調に発展する前に手を打てる。薬も手術も必要ない。

一方、健康診断で数値として異常が出るのは、多くの場合70〜80%低下してから。

「早期発見」と言いながら、実際にはかなり進行してからしか見つからないのが現実です。


血流が握る「免疫力の個人差」

少し専門的な話になりますが、人間の身体を守っているのは白血球やリンパ球といった免疫細胞です。

面白いのは、血液が心臓から全身を巡って戻ってくるまでの時間に、大きな個人差があるということ。

短い時間で巡る人もいれば、非常に時間がかかる人もいる。

血流が良ければ、免疫細胞が素早く全身に届く。悪ければ、同じ免疫力を持っていてもフルに発揮できない。

「なぜ同じ生活をしていても、病気になりやすい人とそうでない人がいるのか」

その答えのひとつが、血流の差にあるのかもしれません。

だからこそ、血流を良くしておくことは、病気のリスクを下げる土台になると私は考えています。


脳への血流と、見落とされがちな不調

人間の身体でもっとも重要な臓器のひとつは「脳」です。

そして、脳への血流に大きく影響するのが、首や肩の状態。

肩こりを抱えている人は非常に多いですが、これは単なる不快感では終わりません。

首や肩の筋肉が固まると、脳への血流が滞る可能性があります。

頭がぼんやりする、集中力が続かない、目が疲れやすい、記憶力の低下──こうした悩みの遠因が、実は肩こりにあるケースは少なくありません。

だからこそ、経営者やビジネスパーソンの中には、パフォーマンス維持のために定期的に整体を受けるという方が増えているのだと感じています。


これからの時代、健康は「自分で選ぶ」もの

医療費の増大、社会保障の限界──こうした話題を目にすることが増えました。

これからの時代、「病気になったら誰かが治してくれる」という前提は、徐々に崩れていくかもしれません。

だからこそ、発想の転換が必要だと思うのです。

「病気を治してもらう」から「病気にならない身体を自分で作る」へ。

車のメンテナンスをディーラーに任せるように、身体のメンテナンスも信頼できる専門家に任せる。

ただし、任せる相手は選んでください。

病院は「壊れてから」の対応が専門です。

「壊れる前」のケアは、別の専門家の領域なのです。


身体への投資は、もっとも確実なリターンを生む

排気ガス、ストレス、運動不足、睡眠の質──現代人の身体は、常に何らかの負荷にさらされています。

これらを完全に避けることは難しい。

だからこそ、定期的に身体をリセットし、良い状態をキープしておくことが大切です。

「痛くなってから行く」のではなく、「痛くならないために行く」。

この意識を持てるかどうかで、5年後、10年後の身体は大きく変わってきます。

健康でいられれば、仕事もできる。趣味も楽しめる。家族との時間も充実する。

身体への投資は、人生のあらゆる場面にリターンをもたらす、もっとも確実な投資だと私は思っています。


最後に

「自分の身体の状態を知り、自分で選んで整えていく」

こういう発想を持っている人は、まだ少数派かもしれません。

でも、その少数派が、結果的にもっとも健康でいられる時代が来ているのではないでしょうか。

もし興味を持っていただけたら、一度身体の状態を見せてください。

数値には出ない、あなたの身体が発している”小さなサイン”を、一緒に確認してみましょう。


※本記事は整体師としての経験と考えに基づく個人的な見解です。特定の疾病の診断・治療を目的としたものではありません。身体の不調が続く場合は、医療機関への受診をおすすめします。

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